3pH洗車は本当に安全?ワックスウォッシュが現場で採用しない理由

3pH洗車は本当に安全?ワックスウォッシュが現場で採用しない理由

── 洗車直後のキレイさより、塗装の寿命を重視するという考え方 ──

3pH洗車という手法は
現在では多くのお店で採用され、DIY洗車の現場でも

一つの洗車方法として楽しまれています。

本記事は、
3pH洗車そのものや、それを実施しているお店

ユーザーの方々を否定するものではありません。

その上で今回は、
なぜワックスウォッシュでは洗車の現場で3pH洗車を採用していないのか
という点について、洗車歴11年の現場経験をもとにお話しします。


結論|やらない理由は「リスクの捉え方」

結論からお伝えすると、
ワックスウォッシュが3pH洗車を実施しない理由は
洗車傷よりも、塗装そのものの寿命を重視しているからです。

3pH洗車は、
洗車傷を抑えやすく、優しい洗車方法として紹介されることが多く、
その考え方自体は理解しています。

ただ、ワックスウォッシュが重視しているのは
洗車直後の見た目のキレイさではなく
5年後、10年後も塗装が健全な状態であることです。


アルカリ洗浄剤をボディに使うことのリスク

3pH洗車では工程上、
アルカリ性シャンプーやアルカリ洗浄剤を
ボディ全体に使用するケースが多くなります。

アルカリ洗浄剤は、
使いどころを守れば非常に有効な洗浄手段ですが、
ボディに常用することについては注意が必要だと考えています。

洗車の現場で実際に見てきた中では、
次のようなトラブルは
酸性洗剤よりもアルカリによるものの方が深刻になるケースが少なくありません。

● アルカリ焼けやシミ
● 白っぽさやツヤぼけ
● ゴム・未塗装樹脂の白化
● 塗装が弱くなり、傷が入りやすくなる

これらは施工ミスというより、
塗装に作用した時点で起きてしまう反応である場合が多く、
完全にコントロールするのが難しいのが実情です。


なぜ「アルカリは塗装を柔らかくする」と判断しているのか?

アルカリには、対象物を柔らかくする作用があります。
これは理屈だけの話ではなく、洗車の現場で何度も確認してきたことです。

歯ブラシとアルカリ洗浄剤の一次体験

スケール除去剤が一般的でなかった頃、
エンブレム周りや細部の黒ずみ汚れを落とす方法として、
アルカリ洗浄剤と歯ブラシを使う手法がよく行われていました。

この方法を使うと、
黒ずみ汚れ自体は確かに落ちます。

しかし作業後、
エンブレム周りの塗装だけが白っぽくなり、細かい傷だらけになる
というケースが非常に多くありました。

歯ブラシ単体で、
そこまで塗装が傷むことはほとんどありません。
にもかかわらず、
アルカリ洗浄剤を併用したときだけ、
明らかにダメージが大きくなる。

この経験から、
アルカリは汚れだけでなく、
その下にある塗装の土台自体を柔らかくしているのではないか
と判断するようになりました。

塗装が柔らかくなった状態では、
わずかな摩擦でも傷が入りやすくなります。


メルセデス・ベンツの塗装での経験

磨きの現場でも、似た経験があります。

一般的に、
メルセデス・ベンツの塗装は非常に硬く、
傷は入りにくい反面、
一度入った傷は落としにくいという特徴があります。

そのため過去には、
磨く前にアルカリ洗浄剤を使用し、
塗装を「扱いやすい状態」にしてから作業を行う
という手法が使われていた時代もありました。

実際、アルカリ洗浄剤を使用すると、
それまで落ちにくかった傷が落ちやすくなることがあります。

これは磨きの効率という意味では有効ですが、
見方を変えると、
塗装表面が本来より柔らかくなっている
とも捉えられます。

この状態で日常洗車を続けると、
塗装は傷が入りやすく、汚れやすい状態になってしまいます。

これが、
アルカリ洗浄剤をボディに常用することで
塗装の耐久度が下がってしまうと考えている理由です。


酸性シャンプーで水じみは落ちるのか

3pH洗車を採用しない理由として、
もう一つ触れておきたいのが
酸性シャンプーによる水じみ除去効果です。

これまで洗車の現場で、
数多くの酸性シャンプーを使用してきましたが、
「かけて流すだけで水じみがすっきり落ちた」
と感じたことは一度もありません。

多くの場合、
表面が一時的に整ったように見えるだけで、
水じみ自体が確実に除去されているケースは少ない印象です。

水じみをしっかり除去したいのであれば、
酸性シャンプーを繰り返すよりも、
水垢除去剤を使い、
必要な箇所に直接塗り込み、
反応を確認しながら作業する方が、
効率的で安全、結果的に手間も少なく済みます。


洗車方法は「理解した上で選ぶもの」

どんな洗車手法にも、
メリットがあればデメリットもあります。

そのメリットとデメリットを理解した上で、
ご自身の理想や使い方に合った洗車方法を
選択していただければ良いのかなと思っています。

その上で、
ワックスウォッシュは
「今キレイに見えること」よりも
「長くキレイを保てること」

を重視しているため、
洗車の現場では3pH洗車を採用していません。

これはあくまで
ワックスウォッシュの考え方であり、
洗車方法の正解・不正解を決めるものではありません。


まとめ

● 3pH洗車は洗車傷を抑えやすい手法
● 一方で、アルカリを常用すると塗装寿命を縮めるリスクがある
● 酸性シャンプーだけで水じみを除去するのは現場では難しい
● ワックスウォッシュは塗装の寿命を重視し、3pH洗車を採用していない

洗車は「何を守りたいか」で方法が変わります。
この記事が、ご自身の洗車方法を考える
一つの判断材料になれば幸いです。

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