脱脂と油分除去の違いを徹底解説|目的・使い分け・注意点まで

脱脂と油分除去の違いを徹底解説|目的・使い分け・注意点まで

脱脂とは?目的と対象

● 脱脂の目的は“コーティングの密着性を高めること”

脱脂は、コーティングや塗装の前に行う「下地処理」です。
表面に残ったシャンプーの成分や、空気中の油性成分などの軽い油分を取り除くことで、
コーティング剤がしっかり定着し、ムラや剥がれを防ぎます。

● 脱脂の対象は“軽い油分”

脱脂で落とすのは主に、以下のような軽度の油性汚れです:

  • 洗車シャンプーの残留成分

  • 指紋などの皮脂

  • 空気中に含まれる油分

この工程を怠ると、どれだけ良いコーティング剤を使っても定着しません。


油分除去とは?目的と対象

● 油分除去の目的は“表面の頑固な汚れを落とすこと”

油分除去は、塗装やガラス表面にこびりついた重度の汚れ・油分を取り除く作業です。
美観を回復したり、視界をクリアにしたりするために行います。

● 油分除去の対象は“凹みに入り込んだ汚れや頑固な油膜”

たとえば以下のような汚れが対象になります:

  • 爪のひっかき傷に入り込んだ汚れ

  • ガラスの油膜

  • ボディの凹みにこびりついた油汚れ

通常のシャンプー洗車では落としきれないレベルの汚れです。


よくある疑問:リアクリーンは脱脂剤?

リアクリーンは脱脂剤ではありません
少量のシリコンオイルを含んでいるため、厳密な脱脂が必要なシーンでは注意が必要です。

ただし、リアクリーンで仕上げた状態でもコーティングの密着に問題が出たケースは少なく、
これは含まれているシリコンオイルが極めて微量であることや、コーティング剤側の溶剤が影響を打ち消している可能性があります。

それでも不安な方は、リアクリーンのあとに専用の脱脂剤を使って仕上げるのが安心です。


硬化型ガラスコーティング施工前は脱脂が必須

スプレータイプではなく、硬化型のガラスコーティングを施工する場合は特に脱脂が重要です。
硬化型コーティングは一度密着すると強固に固まり、表面の油分が密着不良やムラの原因になるため、脱脂の有無で仕上がりが大きく変わります。


まとめ:脱脂と油分除去は目的がまったく違う

項目 脱脂 油分除去
目的 コーティングの密着性を高める 頑固な汚れを落として美観回復
対象 軽い油分(シャンプー残りなど) 深く入り込んだ油分・油膜
タイミング コーティング前の下地処理 洗車やメンテナンス時
使用製品例 専用脱脂剤(IPA系など) 脱脂力の高いクリーナー(例:リアクリーン)

どちらも大事な作業ですが、役割が異なるため混同しないことが大切です
車の状態や使用するコーティング剤に応じて、適切な前処理を選びましょう。

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