こんにちは。ワックスウォッシュの川上です。
今回は、YouTubeで公開した
「知らずに使うと後悔するスケール除去剤のリスク完全解説」
という動画の内容をベースに、ブログ用に整理してお届けします。
スケール除去剤や水垢除去剤は、使い方さえ間違えなければ本当に心強い相棒です。
ただし、どんなに優れたケミカルにも「リスクゼロ」はありません。
この記事では、スケール除去剤に共通する三つのリスクと、そのリスクを減らしながら安全に使うための考え方をまとめました。
詳しい実例や画像付きの解説はYouTube動画でお話ししているので、気になる方はそちらもあわせてご覧ください。
スケール除去剤に共通する三つのリスク
スケール除去剤のリスクは、大きく分けると次の三つです。
●人体へのリスク
●素材へのリスク
●コーティングへのリスク
それぞれ順番に見ていきます。
1 人体へのリスク(手袋と換気が必須な理由)
スケール除去剤は酸性の洗剤です。
そのため、素手でベタベタ触ったり、換気の悪い環境で使ったりすると、人体へのダメージにつながることがあります。
代表的なトラブルとしては、次のようなものがあります。
●手袋をせずに作業して、深爪部分がヒリヒリしたり変色した
●スケール除去剤を含ませたタオルをポケットに入れっぱなしにして、太ももなどの肌が炎症した
●水垢が多い場所で反応した時の煙やニオイを吸い込み、気分が悪くなった
こうしたトラブルを防ぐポイントはとてもシンプルです。
●必ず手袋をつけて作業する
●屋外か、しっかり換気できる場所で使う
●薬剤を含んだタオルをポケットに入れない
この三つを守るだけでも、人体へのリスクはかなり下げることができます。
不安な場合は、活性炭入りのマスクなどでニオイ対策をしておくのも有効です。
2 素材へのリスク(「知らないうちに付いて乾く」が一番危ない)
次に大きいのが、車の各パーツへのダメージです。
実はスケール除去剤が「絶対NG」または「かなり注意が必要」な素材が、いくつも存在します。
代表的なものを挙げると、
●ベンツなどの金属モール、無垢のアルミ素材
●ハイパーシルバー塗装のホイール
●スパッタリング塗装のホイール(クラウン純正など)
●樹脂系メッキのエンブレムやゴールドエンブレム
●アルマイト処理されたパーツ
●スズキのチャンピオンイエロー
●ランクル250のサンドカラー
●ポルシェ マカンのザラザラした金属系ホイール
●古く劣化した塗装全般
共通する失敗パターンは、
●「そこに付いていることに気づかないまま、液が乾いてしまう」
というケースです。
ボディの水垢を落としているつもりで、実はモールやエンブレムに垂れていた。
ホイールを洗っていて、センターキャップやリムの一部に付着したまま放置してしまった。
その結果、
●白ボケして戻らない
●黒ずんでしまう
●磨いても完全には復活しない
といった「取り返しがつかないダメージ」になってしまうことがあります。
このリスクを避けるポイントは、次の通りです。
●不安な素材には、基本的に使わない
●どうしても使いたい場合は、目立たない場所で小さくテストする
●付いてしまったら、乾く前にすぐ拭き上げるか水で流す
●ボトルや濡れタオルを、車の上に置きっぱなしにしない
特に、すでに劣化している古い塗装は、ちょっとした薬剤でも一気に症状が表面化しやすいので要注意です。
「これはさすがに怖いな」と感じる素材には、そもそも使わない選択肢を持っておいてください。
3 コーティングへのリスク(撥水低下と艶の変化)
三つ目は、コーティングへの影響です。
スケール除去剤を使うことで、
●撥水が弱くなる
●艶のトーンが変わる(全体的に明るくなりすぎるような変化)
といった現象が出るコーティングがあります。
本当にそのコーティングに使って大丈夫かどうかは、
●施工してもらったお店
●コーティングメーカー
に「水垢除去剤の使用可否」を確認するのが一番確実です。
それでも心配な場合は、
●ドアを開けた内側の塗装
●給油口の中
●ナンバープレート裏側 など
万一コーティングが落ちても許容できる場所で、小さくテストしてから範囲を広げてください。
ここで大事なのは、
●コーティングを完全に守りながら、水垢だけを都合よく落とす魔法みたいな方法は存在しない
という現実です。
水垢を落とす方法は、
●酸性ケミカルで分解して落とす
●研磨成分などで削り落とす
このどちらかしかありません。
どちらを選んでも、コーティングには何かしらの影響が出ます。
だからこそ、
●どこまでなら許容できるか
●どのくらいの頻度で落とすか
という「付き合い方」を決めておくことが大事です。
それでも水垢は放置できない
リスクの話を聞くと、
「もう怖いからスケール除去剤は使わない」
という方向に振り切りたくなりますが、それも別のリスクを生みます。
屋外保管の車であれば、どれだけ丁寧に洗車していても、数年単位で見ればスケール(水垢)は必ず蓄積していきます。
●コーティングの性能が落ちる
●ボディ全体がくすんで見える
こうした状態を避けるためには、
●スケール除去剤で定期的に分解除去する
●研磨成分入りクリーナーなどで少しずつ削り落とす
いずれかの方法で「水垢をリセットするタイミング」を作る必要があります。
僕自身は、
●スケール除去剤A06で効率よく水垢を分解して落とす方法
●リアクリーンのような研磨系クリーナーで、リスクを抑えながら落とす方法
この二つを、車の状態やオーナーさんの希望に合わせて使い分けています。
まとめ リスクを知って、味方に変える
最後に、この記事の内容を簡単にまとめます。
●スケール除去剤には、人体・素材・コーティングの三つのリスクがある
●手袋、換気、タオルの保管方法に気をつけるだけで、人体へのリスクは大きく減らせる
●NG素材や劣化した塗装には「不安なら使わない」が正解
●どうしても使いたい時は、目立たない場所で小さくテストしてから
●コーティングを完全に守りながら水垢だけ落とす方法はないので、どこまで許容するかを決めておく
●それでも、水垢を何もしないで放置するのが一番危険
スケール除去剤は、敵ではありません。
リスクを知らないまま使うと「最悪の結果」になってしまうことがありますが、
リスクを理解して正しく使えば、むしろ愛車を長くきれいに保つための強力な味方になってくれます。
この記事で気になった方は、実際の写真や失敗例も紹介しているYouTube動画もぜひチェックしてみてください。
●知らずに使うと後悔するスケール除去剤のリスク完全解説
あなたの愛車が、これからも長くきれいでいられるお手伝いができればうれしいです。