いつもWaxWashをご覧いただきありがとうございます。川上です。
7〜8月は、一年でいちばん虫がつく季節です。丁寧に洗車した翌日にはもうフロントにびっしり…という経験、多くの方があると思います。虫がつくたびに洗車できれば理想ですが、毎日はさすがに現実的ではありませんよね。
そこで今回は「頑固についた虫をどう効率よく落とすか」ではなく、そもそも虫汚れを"深刻なダメージにさせない"ための日々の管理方法についてお話しします。
なぜ虫汚れは「すぐ」対処すべきなのか
虫の体液は強い酸性です。放置すればするほど塗装に染み込み、落ちなくなっていきます。どれだけ強力な虫落とし剤を使っても、一度染み込んでしまった虫はもうどうすることもできません。
さらに進行すると、塗装の下のベースカラーにまで到達し、磨いても取れないダメージとして残ってしまいます。これは鳥フンとまったく同じで、「できるだけ早く対処する」のが鉄則です。夏場は特に高温で進行が早いので注意してください。
基本は「ついたら、こまめに、濡れタオルで拭く」
高圧洗浄機や純水での簡易洗車もやってやれないことはありませんが、機材を出すのが手間ですし、純水も埃と混ざればシミの原因になります。手間と効果のバランスを考えると、完璧とは言えません。
いちばんおすすめなのは、ついたらこまめに濡れタオルで拭き取ること。洗車ではなく"拭き取り"でOKです。フロント周りだけでも十分効果があります。
具体的な手順(3ステップ)
タオルは最低2枚用意してください。
- 絞らないビチビチの濡れタオルで、表面の砂を"払う"ように優しく撫でます。いきなり擦らず、まず砂粒を浮かせて落とすイメージです。
- 別の、固く絞ったキレイなタオルで水滴を拭き上げます。これで表面の砂・汚れがほとんど落ち、シミにもなりません。
- その状態で、面を変えて(毛足の短い面がおすすめ)、残った虫を優しく拭き取ります。
昨日・一昨日ついたばかりの虫であれば、これだけ(水だけ)でほとんど落ちます。
水拭きで落ちなかったときは?
時間が経ってタオルで落ちにくくなった場合は、クリーナーを使うことになります。ここで多くの方がアルカリ性の虫取り剤(インセクトリムーバー系)に手を伸ばしますが、夏場の常用はおすすめしません。
その代わりに使ってほしいのが、意外に思われるかもしれませんが酸性の水垢除去剤(スケール除去剤)です。僕自身、洗車の現場ではアルカリ性の洗剤よりも、酸性の水垢除去剤で虫を落とすことのほうが圧倒的に多いです。あまり知られていませんが、これで虫はとても簡単に落ちます。
「酸性の水垢除去剤は少し怖い」「持っていない」という方は、リアクリーン/リアクリーンゼロでもOKです。溶剤で虫を浸透させて落としやすくするタイプで、アルカリ性の虫取り剤を使うより、はるかに安心して使えます。
アルカリ性の虫取り剤を使うのはどんなとき?
アルカリ性の虫取り剤は、特に濃色車・黒系の車で使うと白くシミになるリスクが高く、取り扱いが難しい洗剤です。これは使い方の問題というより、アルカリ製剤そのものの性質です。WaxWashのスタンスとしては、数ヶ月放置してびっしり付いてしまった虫を一気にリセットするときなど、限られた場面でのみ使うものと考えています。
ちなみに僕自身も安全な虫落とし剤を開発中ですが、pHをどれだけ下げてもシミになってしまい、商品化できるか分からないほど難しい領域です。それくらい「安全な虫材」を作るのは難しい、ということでもあります。
ガラスに付いた虫は、濡れタオルだけで落とせます。水拭きで落ちなかったことは僕はほとんどありません。水垢除去剤はガラス自体に使えないので、塗装面のみに使ってください。
「傷が入るのが心配」という方へ
この工程で傷が入るリスクはゼロではありません。ただ、長年コーティングや磨きに携わってきた経験から言えるのは、ここでつくのは淡く浅い洗車傷で、消すのは非常に簡単だということです。目立ちにくく、実害は小さい。
それよりも、ベチッとついた虫の体液を放置して、手のひらサイズのシミが残ってしまうほうが、はるかに深刻で目立つダメージになります。天秤にかければ、こまめに拭くほうが確実に得です。
まとめ:夏場は「落とす」より「管理する」
虫汚れは、1〜2週間放置すると取れなくなるばかりか、染み込んで磨かないと落ちない汚れ=ダメージになってしまいます。最悪、磨いても取れません。それくらい深刻な汚れです。
だからこそ夏場は、「悪くなってから頑張って落とす」より「悪くならないように、毎日ちょっと管理する」。フロント周りだけでもこまめに拭いて、虫汚れを少ない状態でキープする——これがキレイを保ついちばんのコツです。
具体的な拭き方、タオルの使い分け、薬剤での落ち方は、映像で見ていただくのが一番わかりやすいので、ぜひ動画本編もあわせてご覧ください。
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